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サーモン

 好きな寿司ネタはサーモン、という話をしたら、会社の女子から「サーモンって、子どもが好きそうなイメージ」と言われた。「お前の味覚はお子ちゃま」ど真ん中まであと数センチに迫る低めのストレート。とりあえず「永遠の少年なんで」とベタなかわし方をしておく一方で、「でも茹で海老はあんまり好きじゃないかな」などと、よくわからない抵抗も見せる私。

 今年もよろしくお願いします。

2012/01/08 Sun | 未分類

『崖の上のポニョ』

 5歳の宗介は海辺で不思議な魚と出会う。宗介は魚をポニョと名付ける。人間をやめて魔法使いになった男の生み出したもの、というややこしいバックボーンを持つこの魚は、一旦その父親の手で海に引き戻されるのだが、ポニョは宗介に再び会いたい一心で己の魔法の力を最大限に発動し、人間の姿になって宗介のもとへと再訪を企てる。だがそれは強力な台風という形を伴ったため、宗介のいる町は津波に呑まれてしまい、人間世界と海の世界が渾然となる。ポニョたちの意を汲んだ海の女神は、物語を丸くおさめるべく提案をもちかける。


 5歳児の主観、世界観の話。「魔法の金魚」と友達になりたいし、おもちゃの船に乗ってみたい。荒れ狂う海に意志を感じ、女神の姿を見、除草剤を巻く男に陰謀を見てとる。非常時のインスタントラーメンはごちそう。
 狂った世界だし御都合主義的だが、なんでもありかというと意外とそうでもなかったりする。宗介の視野におさまるものは概ね克明だ。おそらく、「5歳児の世界観で状況を捉え直すとどうなるか」というルールで物語全体が構成されているのだと思う。「どうしてかというとー」という世界設定法、幼児なりの辻褄合わせで。自分が5歳くらいの頃、世界のありようを自分なりにどう解釈していたかを思い起こすといい。母親の抱える買い物袋は常に巨大だ。

 大きな無理があるとすれば、話のキーマン、魔法使いフジモトの設定がややこしいところだ。他のキャラクターが軒並みシンプルであるのに対し、彼についてだけは、その出自や存在理由、モチベーションにかなりの説明を要する。なにせ、このお話の異常な部分の説明を一身に引き受けているのだ。
 彼こそはすべての発端なのだが、あいにく解決力は持たないので、最後は海の女神にお出ましいただくよりほかないことになっている。

 それにしても、嵐の中の貨物船の描写がさりげなくすごい。甲板に入った波を逃がす穴から水がこぼれ落ちる、そんな絵をちゃんと描く作品ってないよ。
 御大、海洋冒険ロマンを作りましょうよ。


 蛇足。
 あんな絶大な魔力を持つポニョに、恐らく同程度のポテンシャルを秘めているであろう妹たちが無数に存在するわけなんだが、彼女らが「早く人間になりたい」的な野心を抱くたび天変地異が起こるとなると、はたして地球は持ちこたえられるだろうか。

2011/05/03 Tue | 感想文

いい人

母親から電話。また見合いの話を持ってきた。
「近所のお嬢さんなんだけどね、その人のお母さんがいい人で」
「そのお母さんとお見合いするわけ?」
「いやいやいや、お嬢さんのほうだけどね。印象は薄いけど、感じのいい人よ」
「見合い話の切り出し方として斬新すぎない?それ」

妹の結婚に話が及ぶ。
入籍や挙式はまだだが3LDKの新居はもう構えているという。
「で、旦那は何の仕事してる人なの?」
「なんかねぇ、なんて言ってたかな、よくわからないんだけど、パソコン関係」
「広いよ。わからないなりに何かもっと手がかりはないの」
「なんかねぇ、パソコンで何かする仕事みたいだよ」
「パソコンそのものを売ったりどうにかしたりするのではないのね」
「んー、なんだろねぇ、パソコンに関係する何か、みたいだよ」
せっかく剥いた玉ねぎの薄皮をまた元に貼り付けるような一進一退ぶりである。

見合い話は見送ることにした。お嬢さんのお母さんの人柄はよくわかった。

2011/04/30 Sat | 未分類

クリステル滝川

滝川クリステルが徹子の部屋に出ていた。

猪木アントニオ。

馬場ジャイアント。

カシマシエレファント。

とくに落とし方も決めずに書き始めたけれど、何かにたどり着いたような感覚だけはある。

2011/04/24 Sun | 未分類

東日本大震災

 3月11日、東日本で大地震、大津波。
 被災された方々に、一日も早い「普通の日々」を。

 福島第一原子力発電所で事故。放射性物質の飛散が懸念されている。
 気のせいだろうか、大手メディアでは関東への風向きばかりが報じられているように感じる。全国ネットのキー局や全国紙が、である。「われわれ首都圏が麻痺したら、全国の皆さん、お困りでしょう」とでも言いたげに。このメッセージは私に、一刻も早い首都機能分散の必要性を実感させる。

 デマ拡散、「不謹慎」、原発行政、輪番停電、疎開、復興などなど、いろんなことがあるけれども、とりあえず今回はこのへんで。

2011/03/20 Sun | 未分類

太陽光の反射

白いやつ

 実家の白猫はもう18歳になる。

 「シロ、お前がそこにいるとすげえ眩しいんだけど」
 すると父が言った。
 「たぶん、白髪が増えたんだな」

 なるほどな、と言うほかない。

2011/01/05 Wed | 未分類

プライオリティ

 今回も、「世間をお騒がせして申し訳ございませんでした」の「世間」の中に、私は含めてもらえなかった。
 もっとこう、気もそぞろに、仕事に手もつかぬと、「歌舞伎役者が酒に酔って喧嘩して前歯折るなんて…ありえない…日本は終わる…」とうろたえ、常に思いをはせ、周囲と議論を深めたりするべきだったか。「お騒がせ」されるというのはそういうことだと思うので。
 最近は「国民感情」の国民や「市民感覚」の市民の中にも含まれてない気がする。たまには含まれてみたい。含めてほしい。

 その日のテレビニュースのヘッドラインは、トップ項目が「歌舞伎役者の喧嘩沙汰の釈明会見」、2番目が「国家機密流出サイトの創設者逮捕」、3番目が「惑星探査機の軌道投入失敗、次のチャンスは6年後」だった。うしろに来るほどスケールが大きくなっていく。珍しい構成だと思う。4番目はたしか「銀河帝国で新しい皇帝が即位」で、5番目は「宇宙は膨張から収縮へ折り返し」だったと思うんだがよく覚えていない。

2010/12/12 Sun | 未分類

『インセプション』

 人の夢(潜在意識)に忍び込んでアイデアを盗む裏稼業の男のもとに、盗みとは逆の「アイデアの植え付け(インセプション)」をしてほしい、との依頼がくる。格段に困難なミッションに一旦は躊躇するも、大きな見返りが約束され、引き受けることにする。必要な仲間たちを集め、いざターゲットにダイブイン。計画も周到だったはずが、いろいろあって大変なことに。


 世界設定の説明に映画の半分が充てられているのだが、そんなに難しい構造ではない。“階層”、“キック”、“トーテム”。重要なのはそのくらい。細かいことを気にしすぎると楽しみ損なうのでほどほどに。
 “第二階層”いいですねーあのドタバタ感。ホテルの廊下が醸す異空間な感じも活きている。

 渡辺謙にはすっかり安定感がある。一昔前ならサイトーのような役は英語も流暢な中国系俳優あたりがやってそうなところを、日本人俳優がそのままやっちゃって、「多少カタカナ訛りだけど、まあそりゃそうだし」的な空気になっている。ようやくそんなところまで来たのだなぁとしみじみ。
 一方、肝心のディカプリオはというと、うーんどうなんでしょう。ほんのりミスキャスト気味のような…。声にも顔にも若っぽさが全然抜けてない人なんで、なんかこう若い俳優がチョイ老け役を頑張ってやってるみたいな感じ。この人今後もこんな感じなんだろうか。安達祐実の頑張りを見るときの感覚に近い。

 シーンの刈り込みの思い切りがすごくて、初見ではちょっと油断すると前後のカットの因果関係を見失いやすいかもしれない。現状でも決して短くない尺だけど、ディレクターズカット版なんてのがもし作られたとしたら、これの1.5倍くらい長い作品になるのかも。

 見た目シリアスな印象の作品ではあるが、ディカプリオひとりが妙に苛まれているだけで、あとは要するにこれ、徹頭徹尾みんなどこかでひたすら寝ているという平和な映画でもある。


 さて…

【警告】ここから以降は重大なネタバレを含みます。未見の人は読まないで【警告したよ】

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2010/09/04 Sat | 感想文

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