スウェルフェスタ2009 前編
行ってきました、山口へ。

朝6時35分発、こだま732号。四の五の言ってる暇はない。とにかく、乗れ。
でゅわーん。
到着。

海上自衛隊小月教育航空群、正面ゲート。
スウェル・フェスタとは、山口県の
小月航空基地で毎年やっている一般公開イベント「小月基地航空祭」のこと。“スウェル”という単語の意味は未だ謎である。みだりに問うてはならぬ。
自衛隊の朝は、早い。
午前8時スタートである。ゆえにこちらも
朝5時半起床で臨む。

練習機T-5が一堂に会している。(クリック可能な画像は、オリジナルサイズを開きます)

こんな休日早朝にも関わらず、けっこう人がいる。
実はこのあと8時30分から、ある抽選会が催される。
T-5練習機体験搭乗権をかけた抽選会が。なんのためにこんな早起きして来たのかって、そういうことなのだ。
100名の枠に、400名ほどの長蛇の列が挑む。
ジグザグに誘導された列の、ついに最終ストレートに差し掛かったところで、「残り5名でーす」のコール。そんな。まだ70〜80名くらいいるのに!
クジ、引くことさえできませんでした。
いや、諦めぬ。まだ午後の部がある。
気を取り直し、エプロン(駐機場)へ。
そういえば去年は色々な飛行機やヘリコプターが展示されてたように思うのだが、どこを見渡してみても今年はそれがない。もしかして体験搭乗とバーターの企画なのだろうか。
展示といえば、ぜひ見ておきたいものがある。
2週間ほど前、この小月基地で、飛行機が滑走路をオーバーランするという騒ぎがあった。厚木基地からやってきたYS-11が、停止できず田んぼに突っ込んでしまったのだ。
そのYS-11がまだここにいるはず。
いた。

この手前の赤い消防車、実は3台が斜めに停められていて、どうやら「目隠し」ということらしい。
だが隙間からみえるのだ。隠しきれていない。
しばらくしたら、この消防車を微妙にバックさせて、完全に隠されてしまった。
ほほー、そーゆーことですか。
「もっとよく見えるところに行こう」
小月基地には通称「アパッチ砦」と呼ばれる高台がある。あそこからならよく見えるだろう。
よし、黄色いテープは張られていないぞ。
と、そこへ…。
「
立ち入り禁止!立ち入り禁止!立ち入り禁止!」

ごおおおおおおお。
拡声器片手に、坂道を猛然と自転車が降りてくる。見回りの隊員さんだ。やべえ!
怒られちゃった。
どうやらYS-11を間近に見せまいと、相当神経を使っている様子だ。
私はこの人を心密かに「ママチャリ拡声器の人」と呼ぶことにした。
気を取り直して露店で貝汁を食す。超うまい。
T-5のアクロバット飛行展示まで時間があるので、「基地一周ウォーク」とやらに参加することにする。

青いジャージは航空学生の皆さん。先頭の旗は日の丸ではありません。

一行は海沿いのコースへ。行程はまだまだ前半。
「海に落ちないようにしてくださいね」
ここからだと、関門海峡が遠くにかすんで見える。

中央ちょい左に関門大橋がある。
果てしなく続くかに思える海辺の道を半ばくらいまで進んだところで、堤防の向こうからプロペラのエンジン音が近づいてきた。

見上げる大空を、午前の部の体験搭乗機が通過してゆく。ああ…。
やがて海沿いコースを終了。コンクリートの上を歩くのは思いのほか膝に堪える。

ここで休憩。お茶ですよー。
よく冷えている。素晴らしい。3杯くらい飲んだ。

滑走路へ向かう体験搭乗機の列。
午前の部だけで一体何機飛ぶのだろう。

いきまーーす。

ぅおおりゃあああぁぁぁ。

ぶううううん。
一機が離陸するさまを連続で撮ったかのように見えて、実はそれぞれ別の3機だったりする。背景を注意深く見ればおわかりいただけると思うが、これではほぼ垂直に舞い上がってることになる。

2回目の休憩ポイント。ここで航空学生の皆さんが「一発芸」として、毎朝おこなっているという体操と、「航空学生の歌」を披露してくれた。体操に、腕立て伏せ400回とかは含まれないらしい(そんなことやってるのは陸自くらいか)。
しかし
お茶がよく冷えている。
そして一周ウォーク、ゴール。膝が痛い。

隠すのにあれほど躍起になってたYS-11は、ごらんのとおり裏から丸見え。別にどうということはない。ウォーク参加者の中からは、「なんか可哀そうだねぇ」という声さえ聞こえる。
ゴール付近で「お疲れ様でしたー」などとやっていたら、あの「立ち入り禁止」のママチャリの人が遠くから砂煙をあげて爆走してくるのが見えた。前かごに拡声器を入れて。この人きょう一日、見回りの担当なのだろう。
おや、基地上空を4機のT-5が編隊飛行している。

明らかに体験搭乗機ではない。アクロバット飛行が始まってしまったのだ。我々の行軍速度が遅くて、スケジュールが押してしまったようだ。
時すでに12時半。腹が減った。厚生センターでふるまわれているという「海軍風カレー」を食べたいところだが、T-5体験搭乗午後の部の抽選に並んでおきたい。既に300人くらいの長い列が出来ている。並ばねば。
海上自衛隊曲技飛行隊「ブランエール」。

ぶおおおーん。ものすごい低空飛行。

ブルーインパルスT-4の轟音に比べれば実にのどかなもの。

1番機。このパイロットと、いずれ因縁の再会を果たそうとはこのとき知る由もなく…。

今年はBGMがないかわりに(去年はトップガンだった)、女性隊員(航空学生?)が実況ナレーションしていた。「ナーウ、ブレイク!」(て言ってたと思うんだけど)

空中開花。
のどかに見えるかもしれないが、こうした飛行がどれほど技量を要し、どれほど恐ろしいことなのかは、体験搭乗した者にしかわからない。そう、体験した者にしか…。
その体験搭乗の抽選はまだ始まらない。私の後ろにも長い列が続いている。
遠くからドラムパーカッションの音が!航空学生のファンシードリルが始まってしまった。ここからでは見えないところでやっている。

ファンシードリルとは儀仗隊によるフォーメーション演舞。
そうこうするうち、列が動き始めた。抽選のスタートだ。
午後の部は140人の枠がある。せめて、せめてクジだけでも引かせてほしい…。

最終ストレートにさしかかった。あと70〜80名くらいだ。
第201教育航空隊の正面玄関前。
手前に座ってる女性がいい味だしてるなー。普段この玄関前で、こんなリラックスしてる人いないと思うんだ。
奥にたたずむ隊員さんの背後には、「自衛官の義務」が6項目、張り出されている。
「品位を保つ義務」
「秘密を守る義務」
「職務遂行の義務」
「職務に専念する義務」
「上官の命令に服従する義務」
「指定された場所に居住する義務」

ここまでキター!
「あと5名でーす」のコール。よっしゃ、クジだけは引けそうだ。
説明しよう。
列からは3名ずつ出て行ってクジを引く。
黄緑色の抽選箱の中には、イエロー2つ、ピンク1つの、合計3つのボールが入っている。
箱に手を突っ込み、ピンクのボールを引いたら「当たり」。
左端の隊員さんから「紙」を受け取って、搭乗受付会場に向かう。
私の番になった。
「よろしくお願いします」
抽選ディーラーの隊員さんに一礼。
「ぜひ当ててくださいね」
「がんばります」
ま、別にね、当たんなくても。「ああ〜残念〜」みたいな?ネタってことで、ね。これ終わったら、海軍風カレー食ってさ。あとは適当に、ブラブラと、ね…。

当たっちゃったよ…。
「航空機搭乗承認申請書」。


「ほお、当たったのか。よかったな…」
眠そうな犬のひとにも励まされ、受付会場へ…。
というわけで。後編は
こちら。
2009/10/18 Sun | 旅